日本政策金融公庫の創業融資|面談で聞かれること10項目と答え方【元審査担当が解説】

日本政策金融公庫の創業融資では、申込書と創業計画書を提出したあとに面談があります。「何を聞かれるのか分からない」「うまく話せる自信がない」というご相談を、福岡・鹿児島をはじめ九州各地からよくいただきます。

日本政策金融公庫(旧・国民生活金融公庫)に20年間在籍し、融資審査を担当してきた立場から、面談で実際に確認される項目と、答え方の考え方を整理しました。

面談は「試験」ではなく、計画書の確認作業

まず前提として、面談は落とすための場ではありません。提出された創業計画書に書かれていることが、事実として成り立つのかを確認する場です。

したがって、うまく話す必要はありません。計画書に書いた数字の根拠を、自分の言葉で説明できること。これがすべてです。逆に、計画書と話す内容が食い違うと、そこから確認事項が増えていきます。

面談で確認される10の項目

1. なぜこの事業をやろうと思ったのか

なぜ聞くのか:創業の動機は、事業を続けられるかどうかの土台です。動機が曖昧な事業は、うまくいかなくなったときに続きません。

答え方:思いつきではなく、これまでの経験や課題意識とつながっていることを話します。「儲かりそうだから」だけでは弱くなります。

2. これまでの経験と、事業との関係

なぜ聞くのか:創業融資では、同じ業種での経験年数が重視されます。経験があれば、売上や原価の見通しに説得力が出ます。

答え方:経験年数だけでなく、その中で何を担当し、何ができるようになったかを具体的に話します。未経験の分野なら、それをどう補うかまで用意します。

3. 自己資金はどうやって貯めたか

なぜ聞くのか:金額そのものより、コツコツ貯めてきた事実が計画性の証明になります。通帳の入金履歴も確認されます。

答え方:毎月の積み立てなど、経緯を説明できるようにします。直前に一括で入金されたお金は、出どころを必ず聞かれます。

4. 売上の根拠(誰に、いくらで、何件)

なぜ聞くのか:創業計画書で最も見られる部分です。根拠のない売上予測は、計画全体の信頼性を落とします。

答え方:単価×客数×営業日数のように、計算の分解を示します。「同業の平均」ではなく、自分の商圏と営業方法から積み上げます。

5. 仕入・原価の根拠

なぜ聞くのか:売上に対して原価が不自然に低いと、計画が机上のものだと判断されます。

答え方:仕入先が決まっていれば見積書を用意します。決まっていなければ、想定している調達先と価格帯を話せるようにします。

6. 家賃・人件費などの固定費

なぜ聞くのか:固定費は、売上が想定を下回ったときに会社を圧迫します。

答え方:契約予定の物件の家賃、採用予定の人数と給与を、実額で答えられるようにします。

7. 生活費はいくら必要か

なぜ聞くのか:見落とされがちですが、必ず確認されます。事業から生活費を取れなければ、事業は続きません。

答え方:家族構成と毎月の生活費を把握しておきます。当面の生活費を別途確保している場合は、それも伝えます。

8. 借入金の使い道(設備資金と運転資金の内訳)

なぜ聞くのか:資金使途が曖昧な申込は、金額の妥当性を判断できません。

答え方:設備資金は見積書ベースで、運転資金は「何か月分の何の支払いに充てるか」で説明します。

9. 返済の見通し

なぜ聞くのか:返済できるかどうかが融資判断の核心です。

答え方:利益から返済原資がいくら出るのかを、月単位で言えるようにします。ここは資金繰り表があると説明が早くなります。

10. 他の借入・税金や公共料金の支払状況

なぜ聞くのか:個人の信用情報も確認されます。滞納があれば、それだけで進まないこともあります。

答え方:隠さずに伝えます。返済中の借入や過去の延滞は、先に自分から説明したほうが話が早く進みます。

用意しておく資料

  • 創業計画書(提出済みのものと同じ内容の控え)
  • 見積書(設備を購入する場合)
  • 賃貸借契約書または物件の資料
  • 自己資金が確認できる通帳
  • 許認可が必要な業種は、その申請状況が分かるもの
  • 資金繰り表(任意ですが、あると返済の説明が明確になります)

資金繰り表は当社のテンプレートを無料で配布しています。面談前に先3か月分だけでも作っておくと、質問9への答えが具体的になります。

避けたい答え方が3つあります

  • 「だいたい」で答える — 金額を聞かれて即答できないと、計画書の数字が自分のものになっていないと受け取られます。
  • できないことを「できる」と言う — 後で確認されて食い違うと、他の説明の信頼性まで下がります。
  • 不利な事実を隠す — 借入や滞納は調べれば分かります。隠して発覚するほうが、はるかに不利になります。

面談が不安な方へ

当社では、創業計画書の作成から面談の想定問答の準備まで支援しています。福岡・鹿児島をはじめ九州全県に対応し、オンラインでのご相談も可能です。