補助金は採択されたのに融資を断られる理由|補助金と融資で違う審査の目線【元審査担当が解説】

補助金は採択されたのに、融資を申し込んだら断られてしまった。創業のご相談で、こうしたケースに出会うことがあります。
日本政策金融公庫で20年間、融資審査を担当してきた立場から、なぜこうしたことが起きるのか、補助金と融資の両方で資金をそろえるにはどうすればよいのかを整理しました。
補助金は原則として後払い。先に資金が必要になる
補助金は原則として、事業を実施し、経費を支払ったあとに交付されます。採択されても、いったんは自己資金や融資で支払いを立て替えなければなりません。
ここでつまずきやすいのが、申請書の資金調達の欄に「とりあえず自己資金」と書いておき、採択されてから同じ額を融資で借りようとするケースです。
補助金が通っても融資を断られる3つの原因
1. 補助金の審査を通すことだけを目指した計画になっている
補助金の審査では、事業の新しさや効果、制度の目的に合っているかが重く見られます。一方、融資の審査で最後に問われるのは「借りたお金を返せるか」です。補助金向けに整えた計画は、返済の原資が示されていないことがあります。
2. 申請書の資金調達と、実際の調達方法が食い違っている
申請書で自己資金で賄うとした資金を、実際には借入れで用意しようとすると、説明が食い違います。食い違いがあると、計画の数字全体の信頼性が下がります。実態と違う内容で申請したリスクを負うのは、助言した支援者ではなく、申請した事業者本人です。
3. 会社の実態や経営者の経験が考慮されていない
金融機関は、これまでの実績、経営者の経験、自己資金の状況から、計画が実現できるかを判断します。書類として整っていても、実態から離れた計画は融資では通りません。
補助金と融資で、審査の目線はここが違う
| 補助金 | 融資 | |
|---|---|---|
| 主に問われること | 事業の意義・新しさ・効果 | 借りたお金を返せるか |
| 重く見られる点 | 制度の目的との合致、計画の具体性 | 経営者の経験、自己資金、返済の原資 |
| お金が入る時期 | 事業の実施・支払いのあと(原則) | 審査を経て、事業の開始前 |
補助金で高く評価された計画が、そのまま融資で通用するとは限りません。資金をそろえるには、両方の目線を満たす計画が必要です。
補助金と融資の両方で資金をそろえる進め方
- 資金計画を先につくる — 必要な資金の総額と、支払いと入金の時期を並べます。補助金が入るまでの立て替え期間も含めて考えます。
- 金融機関への相談を早めに始める — 採択の結果を待たずに、融資の見通しを確かめておきます。
- 補助金申請書と融資の説明をあわせる — 資金調達の内訳は、実態どおりに書きます。
- 返済の原資を示す — 事業の利益から、無理なく返済できるかを確かめます。
立て替え期間の資金繰りは、資金繰り表で見える化すると説明が明確になります。資金繰り表のテンプレートを無料で配布しています。
補助金の申請支援を頼むときに確かめたいこと
補助金の申請書づくりを誰かに頼むときは、その支援者が融資の審査の目線も持っているかを確かめてください。「この計画は、融資の審査でも通用しますか?」と聞いて、根拠をもって答えられるかどうかが一つの目安になります。
補助金と融資でお困りの方へ
当社では、補助金と融資を一体で考えた資金計画づくりから、金融機関への説明の準備まで支援しています。福岡・鹿児島をはじめ九州全県や九州外にも対応し、オンラインでのご相談も可能です。
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